勝手に病院へ行くのを止めておいて...今さら労災請求?!
こんにちわ。
東京都目黒区中目黒の社会保険労務士 小泉事務所です。
つい最近まで「なかなか春が来ないなぁ」と思っていたら、もう梅雨が目のまえですね。。このところの陽気がもう少し続いて欲しいと思います。
さて、6月といえば梅雨の他にもうひとつ。
大抵の事業所さんがあてはまる「ボーナス」の時期ですね。
労務行政研究所の発表によれば、今年の夏季ボーナスは昨夏に比べて≪微増≫の傾向にあるそうです。(約1万5,522円(2.4%)の増加)支給月数は、2.12か月との回答が一番多かったとのこと。
参考になさってみてはいかがでしょう?
それでは、
【社会保険労務士の事件簿】第42回始まりです!
==社会保険労務士の事件簿(ファイルナンバー0042)========
勝手に病院へ行くのを止めておいて…今さら労災請求?!
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GW明けの小泉事務所のメールボックスは、迷惑メールでいっぱい。
でもその中で、空調設備工事業を営むF社からのメールには、職人Aさんへの対応についてSOSが…!!
どんな内容だったかと言うと…。
Aさんは、昨年12月に仕事中に電動工具で左腕を負傷し、病院へ通っていました。しばらくは真面目に通院していたようですが、まだ治療中で医師からも通院が必要であると言われていたにもかかわらず、自分で勝手に通院を止めていたようです。
そして、2カ月が過ぎ…、思い出したように病院へ行ったところ、医師から「既に治っているよ」と言われたそうです。
Aさんは療養を中止していた期間中を含め、F社に「今までの休業補償給付を請求したい」と言ってきたので、ビックリしている。
勝手に病院へ行くのを止めていたから一体いつ治ったかもわからないし、こんな請求は受付たくない!!
というものでした。
そういえば、年末にF社に労災があったと連絡を受け、「療養補償給付」の給付請求書を作成した覚えがあります。
F社にすぐ確認したところ、Aさんはずっと仕事は休んでおり、会社としては通院していなかったことは知らなかったと言います。
さて、F社は休業補償給付の請求を認めなければいけないのでしょうか?
【社会保険労務士 小泉事務所がお答えします!】
まずは、労災の休業補償給付が支給となる要件について確認しましょう。
▼休業補償給付の支給要件▼
労働者災害補償保険法(以下「労災法」)第14条では、休業補償給付の支給要件として「労働者が業務上の負傷または疾病による療養のため、労働することができないために賃金を受けない日」と規定しています。
つまり、
1.労働者が業務中にケガをしたこと、または業務上の理由で疾病にかかったこと
2.その療養のため労働することができないこと
3.その間賃金の支払いを受けていないこと
という3つの要件を満たした場合に限り支給されることになります。
さらに、
4.賃金を受けない日が4日以上となるとき
という条件が加わります。
では、今回のAさんの場合は当てはまるのでしょうか?
一般的に、労災保険上の療養期間とは、業務上の負傷または疾病の治癒に要する時間として、医学的に必要性が認められたものをいい、当然この期間中は傷病に対する『医師の指示』に基づいた一連の治療行為が客観的に存在することが前提となります。
言い換えれば、治療の実態のない休業期間は、たとえその間に賃金を受けていなかったとしても、2の要件(療養のため労働することができない)を欠くことになり、休業補償給付の対象にはなりません。
仮に自宅で市販の薬で療養していたとしても、労災保険上の療養期間としてはみなされませんので、その間の休業補償給付は支給されないことになります。
ただし、医師の指示があった期間、つまり勝手に行かなくなる前までに4日以上休業していれば治療を中止した時までの休業補償給付は受けられます。
また、労災の休業補償給付は4日目から給付が開始されるため、休業3日目までは会社が労働基準法上の休業補償(平均賃金の60%)をする必要があります。
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激怒しているようなメール内容に、すぐF社へ連絡しました。
「Aさんには参りましたよ…。先生どうしましょう?」
社長は激怒というよりは、途方にくれているといった様子でした。
連絡をしてもAさんはいつも『まだ良くならない』『仕事はまだ無理』と答えていたようです。
社長も体が資本の仕事だから、きちんと良くなってから復帰してもらおうと考えていたため裏切られた思いがしたそうです。
社長の残念な気持ちはよく分かりましたが、勝手に治療を中止するまでについては休養補償給付対象となること、3日目までは会社で補償する必要があることを伝えました。
結局、3日目までは有給休暇で対応することになり、約10日の休業補償給付の手続きも済みました。給付決定はまだですが、1カ月後くらいには休業補償給付がAさんのところへ振り込まれるのでしょう。
社長には今後Aさんの仕事ぶりをよく観察することをアドバイスしました。
まれに故意に労災を起こし、まったく真剣に仕事をすることがなくなる人がいるためです。
被災者の故意による事故等は、給付はされません。
自分が痛い思いをするだけです。
Aさんがそのようなことにならなければいいのですが…。
本日もお付き合いくださいまして、ありがとうございます。
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